くまのコールテンくん

ドン・フリーマン作 松岡 享子訳

 ぬいぐるみのくまのコールテンくんは、デパートのおもちゃ売り場で、だれかが買いに来てくれるのを待っていました。 ある日、女の子がコールテンくんを気に入って、買って帰ろうとするのですが、お母さんが承知してくれません。 「新品じゃないみたい」なんて言って。がっかりしたコールテンくんは、その夜、自分の運命を切り拓くべく、行動を開始します。 さて、コールテンくんの願いはかなうでしょうか。そして、あの女の子は…。
 我が家に、コールテンくんそっくりのくまのぬいぐるみがいます。 10年以上前に、サンタクロースが二女のために持って来てくれた物です。私は、早速、この絵本を二女に読んでやりました。 すると本のほうも気に入って、自分のくまに「コーちゃん」と名を付けました。
 そしてコールテンくんのはいているようなズボンをコーちゃんにも作ってくれというのです。 しまった、そこまでは考えていなかった、と思っても後の祭り。 四苦八苦してなんとかカギ針編みのでこぼこのズボンをこしらえてはかせてやりました。
 コーちゃんは、それこそおんぶにだっこの毎日を二女と共に過ごすうち、まるで生き物のような存在になりました。 苦しかった高校受験を終えて、二女が最初にやったのは、コーちゃんに新しいズボンをこしらえてやることでした。
 絵本にしろ、ぬいぐるみにしろ、素直に感情移入できるものには、作り手の誠実さを感じます。 やさしい気持ちを育ててくれたコーちゃん、コールテンくん、ありがとう。

(杉原 由美子 00/5/8)

くまのコールテンくん 表紙

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