大豆は、東アジア原産の穀物で、日本では縄文時代から食べていたことがわかっています。どうりで、食べ方の工夫が半端じゃないです。
この絵本では、大豆の役割について、楽しみながら奥深く追究しています。
春、タネとして蒔かれた大豆たち。この時期の最大の敵は鳥さんです。タネ蒔きしているところをちゃんと見ているのか、
場合によっては、全てのタネがほじくられて、一つも発芽しないこともあります。その点、大豆は硬くて苦いので、鳥も嫌って全滅を免れます。
夏、枝が青々と伸びて、たくさんのさやをつけ、枝豆として収穫されます。さほど手を加えなくても美味しく食べられる枝豆、
ありがたい食品です。
秋、いよいよ大豆らしくなって、ころころさやから出てきます。ここからが本領発揮です。水につけられ、すりつぶされて、
煮られ絞られ、豆乳に。にがりと固めて豆腐になったと思ったら更に揚げられがんもに厚揚げ、油揚げに。
お湯で茹でられふっくらしたら、細かくつぶして麹を混ぜて、味噌に、醤油に、納豆に。おからやきな粉や湯葉としても
食べることができます。
そのほか、大豆の油を利用したり、人間の食べない部分を家畜のえさにしたり。ほんとに、タイトルどおり「おおいなる一族」
と言っても大げさではありませんね。
作者のはしもとさんは、子育て真っ最中のお母さん。納豆が苦手だった息子さんのために描いた絵が元になっているそうです。
実はうちでも、今年は大豆を植えました。気候が良かったのか、枝豆がたくさん穫れました。数年前なら、食べる家族も
いっぱいいたのですが、あれよあれよという間に2人家族になった今年、「うまいうまい」と言いながら枝豆をたらふくいただきました。
豆腐や味噌づくりまではともかく、枝豆ならば、ちょっと地面があれば栽培、収穫して、美味しさを堪能できます。
来年の春には、どうぞ、みなさま挑戦してみてはいかがでしょう。
(杉原 由美子 19/10/16)